
2009.08.28
介護のお仕事との出会いは十数年前、介護福祉士の通信教育受講とホームヘルパー3級の講習会でした。それまで介護の必要な方との接触は全くなく、まさに未知の世界でした。ヘルパー講習では福祉・介護の基本を学びました。介護の様子をビデオで見させていただいたのですが、その中でお客様は穏やかな雰囲気の中で介護を受けていて 介護の世界ってこういうものなんだと思いました。
ところがそのすぐあとに、特別養護老人ホームの実習を受けたのですが、ビデオとは大違いの世界でただただ驚き、ものすごいカルチャーショックを受けました。
ゆったり、穏やかに入居されているお客様と過ごすどころか、おむつ交換、入浴介助、食事介助、移動介助の繰り返し。穏やかな表情のお客様のおむつ交換をしようと声をかけたとたんに一変、ひっかかれたり。私が最初に思い描いたイメージはガラガラと崩れ去っていきました。
私には介護の仕事は無理かもと思いながら実習を重ね、最終日を迎えました。各お部屋にご挨拶に伺ったところ、たくさんの方から「ありがとう。またおいでね。」といっていただき、中にはお菓子をティッシュに包んでもたせてくださる方もいました。この体験が今もこの仕事を続けられている大きな要因だと思っています。(ど素人の私の介助を受けられた皆様にはいつもお詫びと感謝の気持ちでいっぱいです・・・思い返すと冷や汗たらり)
では、十数年たった現在の私。やっぱり最初に描いたイメージは正しかった!!です。ゆったりと穏やかな日々をすごしていただくのは当たり前のこと、介護が必要になったからといって特別な存在ではないのだから。
おむつ・入浴・食事・移動介助の繰り返しの中で、ゆとりを持つことは介護士の力量にかかってくるのです。だから知識、技術を身につけ自分磨きをしなくてはならないんですね。子供の頃は、学校を卒業したら勉強とは縁が切れる!なんてあまいことを思っていましたが、介護技術も日進月歩、どんどん変化していく中、毎日学び続けていかなければならない。お客様お一人おひとりに個別の支援を提供する、本当にイメージの実現には毎日毎日、努力努力、ですね。
介護のお仕事って奥がとっても深く、本当に難しいなと思いながら、気がつけば未知の世界に足をふみいれてから十数年が経過してしまいました。
時々、いろいろ思い出すのですが、なぜか楽しい気持ちになるのです。そのときには確かにつらい!たいへん!と思ったこともたくさんあったはずなのですが、そういうのって時がたつと忘れていくんですね。人間てうまくできていますよね。
お客様は私たち介護士の鏡。「私たちがつらい!たいへん!なんて思っているとお客様はもっとつらくてたいへん。私たちがゆったり のんびり たのしい!って思っていると同じように感じてくださる。」
この鏡が曇らないように、職場の仲間とゆったり のんびり 笑顔笑顔で介護、もっともっと、お客様の笑顔をひきだしていきたいですね。
田柄特別養護老人ホーム 介護係長