
2010.03.08
私が介護の仕事を考えたのは、今から約20年前、高校3年生の時でした。
世の中は、まだバブルの時代のなごりがあり「介護」という言葉はマイナーだったと記憶しています。
私が進路に関して迷っていた時、たまたまテレビを見ていると日本がこれから高齢社会を迎えようとしている時に、高齢者が様々な問題に直面することや介護人材が不足し大変なことになるといった内容の番組が目に留まりました。幼少時から祖父母と一緒に暮らしていた私にとって、祖父母はかけがえのない存在でした。子供の時から「年老いて、病気になったら面倒を看たい」といつも考えていたことと、人様の役に立てる仕事がしたいと思っておりましたので、自分に何が出来るかわからないが介護の仕事に挑戦してみようと、介護福祉士の資格が取得できる学校へ進学しました。
入学してまもなく、初めての施設実習にいきました。そこで目の当たりにした光景は私が想像していた「入居者が明るく、楽しく、元気に!!」というような生活ではありませんでした。入居者の表情には笑顔がなく、食事以外は一日中ベッドの上で天井を見て過ごされている姿は悲惨な状況でした。これが介護現場の実態なのかとショックを受けました。生活の場というよりは収容の場という言葉が適切かもしれません。この実習を通じて、多くの疑問や矛盾に直面しました。様々な先生や友人に相談しましたが、みんな口を揃えるように「理想と現実は違うんだよ」という言葉が返ってきました。
私の心の中は何も解決されないままでしたが、ある日学校の勧めで二週間程度の海外研修でアメリカとカナダに行きました。この経験が私の人生を大きく変えました。研修で様々なことを学びましたが、特に入居されている方が活き活きと生活されている姿が一番印象に残っています。そして、「その人らしさを大切にすること」が介護の中で大切なことを、利用者の方と触れ合うことで体験しました。今思えば当たり前のことですが、その当時は当たり前のことがなかなか出来ない環境が介護現場を支配していた様に思えます。
卒業後、現在の法人に入職し17年が経ちます。あっという間という言葉が一番適切かもしれませんが日々、学びの場だと実感しています。そして介護の仕事に就いて、「命の尊さ」とは何かを改めて教えて頂きました。介護の仕事は人の死と向き合っていかなければならない崇高な仕事だと考えています。お客様が一人ひとり歩まれてきた人生の重さを感じながら、その人らしく生活して頂く為に私たちがどの様に援助させて頂くか、常に考えていかなければならない尊い仕事です。私はこの尊い仕事をさせて頂いていることに誇りを持っています。また、お客様の笑顔で何度も私自身が励まされたことに感謝させて頂いています。
介護の仕事でもう一つ大切なことは、チームワークです。一人のお客様へ様々な専門職が、様々な角度からサポートしていきます。情報を共有し、同じ目標に向かって日々援助していかなければなりません。人と人の繋がりが重要な仕事だと実感しています。
最後に、日本が迎えようとしている超高齢社会は世界でも稀に見る状況です。介護の現場で働く私たちは大きな夢と希望もち、高齢者の方々が安心して生活できるように努力していかなければならないと思います。私自身も日々感謝の気持ちを忘れずに努力して参ります。こんな私が介護の仕事を続けられるのもお客様や職員さんのお陰です。「皆さん本当にありがとう」という感謝の気持ちでいっぱいです。
富士見台デイサービスセンター所長