コラム介護のお仕事

介護の仕事

2010.08.02

「介護の仕事」について振り返ると、特別養護老人ホームでのさまざまな出会いと別れ、そして、大切な一言や場面を思い出します。
もう、20年ほど前のことになりますが・・。


特別養護老人ホームで・・・
 私が初めて勤めた特別養護老人ホームでは、施設で葬儀を行いました。特別養護老人ホームは生活の場で、病院ではないので、治療が必要になると、入居者の方は入院し治療を受けます。高齢の方はともすると回復に至らず、病院で亡くなられることも少なくありません。病院で亡くなられた場合も、生活していた施設に戻ってこられました。在宅生活と同じように、その方のご家族と相談し、施設で葬儀を行う準備を行います。ご遺体は、霊安室に安置され、弔いの準備を行いました。ご家族がいらっしゃる場合には、ご家族が喪主として葬儀を執り行い、全入居者の方が葬儀に参列しました。職員も、ボランティアの方も一緒に、柩の中にお花を手向け故人とお別れをします。(皆さんできるだけお顔のそばに花を添えます)身寄りのない方の場合は、職員主催で、献花と送る言葉でお別れの会を行いました。もちろん、生活を共にした入居者の方は、みなさん献花でその方を送ります。


 ひとりの入居者の方が、お別れの会に参列された後に、おっしゃいました。
 「これで、安心してこの先が過ごせます。身寄りのない私が、最期をどのように迎えるのか不安に思っていましたが、このように、みなさんに送っていただけるのだと分かり、安心しました。最期の日まで、ここで安心して暮らせます。」と。


 この方の一言と、「死生観」の研修の際に講師の先生が私たちに話して下さる内容が重なりあいます。
 以下は先生の言葉ですが、
アンチエイジングではなく従老(自らの老と折り合いをつける)を、そして、生老病死を肯定し、人間の最後は誰かの世話になって逝くことを当然とする考え方が重要。
 そして介護現場の仕事は、人の「死」にまでかかわれる場であり、「死」にまでかかわれるからこそ見える、今日の関わり方がある。「ご遺体は、ケアの通信簿である」

 先生の言葉が心に響きます。介護の現場とは、本当に尊い経験をさせていただける場です。そしてもうひとつは、「もし、私だったら」「明日の私のため」ということを常に考える仕事でもあります。
 誰もが思い願う、当たり前の、普通の暮らしが続けられるように。
 そして、最期までその人らしく、人として大切にされる場や環境、関わりであるようにと想い、考え、また今日を過ごしています。   (先生の言葉・・・鳥海房江氏)


                           サービス向上担当課 指導係長

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